いよいよ10月25日に開幕する第29回東京国際映画祭。
今年の必見若手日本人監督作品といえば、コンペティションにノミネートしている『アズミ・ハルコは行方不明』(2016、松居大悟監督)。
これまで『アフロ田中』『ワンダフルワールドエンド』『私たちのハァハァ』など、30歳にして既に6本の長編作品を発表、テレビドラマや舞台などでも活躍目覚ましい松居大悟監督の新作となれば見逃せない。
日本映画スプラッシュでは、初監督作なのに熟練感すら漂った『ディアーディアー』の菊地健雄監督の第2作目『ハローグッバイ』も期待大だ。
ワールド・フォーカスは、世界の映画祭で高い評価を得た最新の作品が勢揃いしている。ロカルノ国際映画祭で監督賞を受賞したポルトガルのジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督の『鳥類学者』、『パラダイス三部作』で強烈な印象を残したウルリヒ・ザイドルのヴェネチア国際映画祭招待作品『サファリ』、作品の素晴らしさと長さ(8時間!)の両方の意味でベルリン国際映画祭の話題をさらったラヴ・ディアス最新作『痛ましき謎への子守唄』など、「絶対観ておきたいけれど、ここで見逃したら、もう二度と観られないかもしれない」という、映画祭ならではの豪華なラインナップである。
Japan Nowでは黒沢清、庵野秀明、阪本順治、岩井俊二らに加え、世界が認める日本の才能、深田晃司と濱口竜介の作品も上映される。
何度でも観たい傑作から日本未公開作まで、復元や4Kデジタル・リマスターの作品もたくさん上映されるため、古典映画ファンも大忙しになりそうだ。京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターを会場にして上映される「UCLA映画・テレビアーカイブ 復元コレクション」ではマックス・オフュルスの『魅せられて』やジョン・フォードの『荒野の決闘[非公開試写版]』などが35mmフィルムで蘇る。
さらに、成瀬巳喜男監督の『浮き雲』、本多猪四郎監督の『キングコング対ゴジラ』の4Kデジタル・リマスター版をはじめとするリマスターをはじめ、映画ファンの間でたびたび話題にあがりつつも、スクリーンで観られる機会はついぞなかったエドワード・ヤン監督の『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件[デジタル・リマスター版]』が1991年の日本初公開から25年を経て遂にスクリーンで観られる!
予定を調整して、“映画の秋”を過ごせるようにした方が良さそうだ。
第29回東京国際映画祭
会期:2016年10月25日(火)-11月3日(木・祝)
会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区) ほか 都内の各劇場および施設・ホールを使用
料金やスケジュール等、詳細は公式ウェブサイトをご覧ください
http://2016.tiff-jp.net/ja/