© Jack Walsh
イヴォンヌ・レイナーについてのドキュメンタリー作品、『フィーリングス・アー・ファクツ 〜イヴォンヌ・レイナーの生涯〜』がダンサーとダンスでの「老い」をテーマにした京都造形芸術大学の共同研究プロジェクト「老いを巡るダンスドラマトゥルギー」の公開研究会において日本で初めて上映される。ポストモダンダンス、コンテンポラリーダンス、そしてダンスと映画/映像の関わりについて考える際にも重要な存在であるイヴォンヌ・レイナーは、2006年以来ダンスにおける「老い」を実験的なテーマとしてダンス作品を作り続けている。
ダンスにおける老い(エイジング)が、見る人によって変わるパフォーマティブな概念だと認識するようになった、と本イベントの企画者である中島那奈子氏は語る。「近年のダンスシーンでは、老いの問題に大きな注目が集まっていますが、これは少子高齢化というだけでなく、1960年代に活躍したレイナーらが、高齢になっても実験的なダンス作品を作り続けていることに理由があります。このプロジェクトでは、老いというテーマをどう新しいダンスへと作り上げていくことができるか、ドラマトゥルクの視点からその実践理論を探ります。」
これまでも独創的な衝撃的作品を生み出してきたベルギーのカンパニー、ピーピング・トムもまた、老人ホームを舞台にした『ファーザー』の来日ツアー中だ。踊る身体が老いていくこと、老いた身体が舞台の上で踊ること。あるいは、踊ることで老いの意味を問うこと…。議論ははじまったばかりかもしれない。
上映作品 『フィーリングス・アー・ファクツ 〜イヴォンヌ・レイナーの生涯〜』 (原題:Feelings Are Facts: The Life of Yvonne Rainer) 2015年、 86分、 日本語字幕付 監督:ジャック・ウォルシュ 出演:イヴォンヌ・レイナー、スティーブ・パクストン、シモーネ・フォルティほか
開催概要
「老いを巡るダンスドラマトゥルギー」公開研究会
第1回 オーラルヒストリーから辿るイヴォンヌ・レイナー
開催日程:2017年3月4日(土)13:30〜17:00
会場: 京都造形芸術大学 芸術文化情報センター 映像ホール
研究会プログラム
第一部:『フィーリングス・アー・ファクツ 〜イヴォンヌ・レイナーの生涯〜』上映
第二部: 公開ディスカッション
登壇者:岡﨑乾二郎(造形作家・批評家)、古後奈緒子(ダンス批評・舞踊史研究/大阪大学文学研究科アート・メディア論)、中島那奈子(ダンス研究・ダンスドラマトゥルク)
料金:入場無料、要事前申込
申込方法等、詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
http://www.k-pac.org/kyoten/guide/2016c2/